暑い夏を快適に過ごすにはワンピースが1番! ワンピースは機能的な涼しさと快適さを備え、エレガントでスタイリッシュなスタイルを一着で表現できるアイテムです。
また、夏の旅行やレジャーにワンピースは必要アイテムです。
- 荷物のパッキングが簡単です。
- ワンピースは単体で着ることも、アクセサリーや靴を変えて異なるスタイルにアレンジすることもできます。
- ワンピースは水着の上から着て、ビーチやプールサイドでリラックスできるアイテムとして活躍します。
- 夜のレストランやアクティビティに出かける際にも、ワンピースは優れた一着です。
今回は夏にピッタリな軽量で通気性の良い素材(生地)で、鮮やかな柄、風になびくフレアーやギャザーなどで夏のディティールを表現したワンピースの作り方をご紹介致します。
洋服を作るプロセスには忍耐と熱意が必要です。その過程を経て完成した洋服には大きな達成感と喜びが舞い上がります。
素材の選定からデザイン・型紙の構築、縫製へと道のりは長いですが、自分の手で作り上げた洋服を身に纒う瞬間を夢みて、一緒にソーイングを楽しみましょう。
夏の旅行やイベントにピッタリなワンピース!
さぁ作っていきましょう。
サマーワンピース作り方 作成工程表
まずは、サマーワンピースを作るための工程を確認しましょう。大きく分けて4工程です。
次に、それぞれの工程作業の群細です。
今回は、この3項目を重点に解説致します。
- C-2 リボン部分を取るための生地の裁断の仕方
- D-3 コンシールファスナーの簡単処理の仕方
- D-5 裏ヨークをつける
さぁ〜はじめるよぉ!
A サマーワンピースのデザインを考える
A-1 ワンピースのデザインを考えよう
- バストラインより少し高い位置で切り替え線を入れます。これをヨーク切り替えといいます。このヨーク切り替えの下側、身頃にギャザーを入れてワンピースの分量感を出していきます。
- ギャザー量は多すぎると分量感が出て厚く感じます。また、逆にギャザー量が少ないと只の切り替え線の入ったワンピースになります。 お好みもありますし、選ぶ生地の質感によってもギャザー量を調節することをお勧めします。
- ギャザー分量の調節は姿見の鏡の前で生地を自分に当て、ギャザー量を多くしたり、少なくしたりして、お好みのギャザー量を決めましょう。
初心者の方には難しそうですが、でもデザインの面白さ、楽しさはココにありますよ。
- 袖は半袖、袖の形はストレート。 ヨーク切り替えとギャザーをデザインポイントにするため、袖はシンプルなデザインにします。
- コンシールファスナーを付けて後ろ開きにします。着脱も簡単です。
- 着丈や袖丈はお好みでお決め下さい。
A-2 材料をそろえる
- 表地 ジャガード織のシフォン生地・花柄のプリント生地
- 芯地 プレシオン芯地 HC-100
- コンシールファスナー 56cm 1本
- 糸 シャッペスパン #90
B サマーワンピースの型紙を描く
仕上がり寸法からの囲み製図
まずは、サイズを確認してね!
洋服(ワンピース)の仕上がり寸法です。今回は9号・Mサイズを目安に作っています。
前ヨークと後ヨークの囲み製図
前身頃と後身頃の囲み製図
袖の囲み製図
B-1 ウエストスローパーの原型型紙を描く
自分のサイズに合うパターンを描くには、洋裁のことに興味があるなら、ぜひ原型パターンを描くことをお勧めします。最初は難しく・大変かもしれませんが、完成度の高い洋服を作ることができます。
まずは身頃の原型パターン、ウェストスローパーの原型型紙を描きましょう。夏のワンピースなのでユルミ1~2センチ前後で原型を描きましょう。
B-2 デザインにあわせて原型型紙を展開する
原型パターンを基に、デザインに合わせてパターンを展開していきます。
後身頃のパターンからはじめるよ!
展開をする部分を囲む
- (1) ショルダーダーツの先端の位置から後アームホールに向かって横線を引く。
- この線からアームホールの上線→肩線→ダーツ線で囲む四角形を作る。
後ショルダーダーツを展開する
- (2) ショルダーダーツの先端にピンを打ち、ピンを中心点として赤線で囲まれた四角形を首ぐり側に回転させる。
- ショルダーダーツの面積を無くす。
肩線を描きなおす
- (3) 面積を移動(回転)した後の肩線を新しく引きなおす。
- 肩ダーツの分量が後アームホール(袖ぐり)に移動し袖ぐりのゆとりに変わります。
後アームホールを下げる
- (4) 後アームホールを1.5cm下げる。
新しくアームホールを描きなおす
- (5) 新しい肩線から袖底を1.5cm下げた位置まで新しくアームホールを描きなおす。
首ぐりを描きなおす
- (6) 後首ぐりをお好みで描きなおす。(今回は少し大きくしています。)
ヨーク位置を決める
- (7) 後ヨーク切り替え位置をクロスマークの下の位置から取る。
- C,B(センターバック)に向かって横線(直線)を引く。この線が後ヨーク切り替え線になります。
次は、前身頃だよ!
展開する部分を囲む
- (8) 前アームホールのクロスマークからAPEX(バストポイント)に直線を引く。
- この線からアームホールの上側→肩線→バストダーツ線で四角形を囲む。
前バストダーツを展開する
- (9) APEX(バストポイント)にピンを打ち、このピンを中心点として四角形を前首側に回転させ、バストダーツ分量を無くす。
肩線を新しく描きなおす
- (10) 新しく肩線を描きなおす。(後肩線と同寸にする)
- アームホールが2つに分かれ、バストダーツの分量がアームホールに移動します。これをダーツ展開と言います。
袖底を下げる
- (11) 前身頃の袖底線を1.5cm下げる。
新しくアームホールを描きなおす
- (12) 新しく描きなおした肩線から1.5cm下げた袖底まで、新しくアームホールを描きなおす。
前首ぐりを描きなおす
- (13) 前首ぐりラインをお好みで描きなおす。(今回は少し大きくしています。)
前ヨーク切り替え線を入れる
- (14) 後ヨーク切り替え位置と同じ高さになる様に前ヨーク切り替え線を描きます。
- C,F(センターフロント)に向かって横線(直線)を引きます。
ヨーク切り替え位置よりパターンを2つ分ける
- ヨーク切り替え位置よりパターンを2つ分ける。
ワンピースの着丈を決める
- (16) 後身頃のC,Bからギャザー分量を取る。その位置から新しくC,Bを引きなおす。
- (17) 前身頃のC,Fからギャザー分量を取る。その位置から新しくC,Fを引きなおす。
- (18) ワンピースの着丈を決めて長さを取ります。ワンピース着丈は後ヨーク丈と後身頃丈を合わせた丈です。
- ワンピース着丈はお好みでお決め下さい。
- (19) C,B(センターバック)からC,F(センターフロント)に向かって横線(直線)を引き、前身頃の着丈(前裾ライン)とします。
身頃のパターンの次はお袖だよぉ!
B-3 一枚袖の原型型紙を描く
身頃のアームホールの長さを測る
- 前身頃と後身頃のアームホールの長さを測り、一枚袖の原型パターンを描きます。
B-4 デザインにあわせて原型型紙を展開する
- 一枚袖の原型型紙を変更していく。
袖を半袖にする
- (18) 袖山から下に26cm取り半袖にする。(袖の長さはお好みでお決め下さい。)
- 袖下線は真っ直ぐ下に向けて引きなおす。
袖山線にアームホールのクロスマークをつける
- (19) 後身頃の袖底位置から後アームホール位置までの長さを測る。
- (20) 後袖山線の袖底位置から(19)の長さを測り、袖山線のクロスマークを付ける。
- (21) 前身頃の袖底位置から前アームホール位置までの長さを測る。
- (22) 前袖山線の袖底位置から(21)の長さを測り、袖山線のクロスマークを付ける。
ワンピースパターン 完成
ワンピースパターン 縫い代の付け方
- それぞれのパターンに縫い代を付ける。
C サマーワンピースの生地を裁断する
縫製のための下準備をしていきましょう。
C-1 生地にアイロンをかける
- 生地の皺(しわ)をとるためにアイロンをかけます。
C-2 型紙を生地上に置き固定し裁断する
裁断枚数
- 前ヨーク1枚、前見返しヨーク1枚、後ヨーク2枚、後見返しヨーク2枚
- 前身頃1枚、後身頃2枚、
- 袖2枚
生地裁断
- 生地を中表にする。
- 前身頃や後身頃の幅が取れたら、ウエストリボンの生地をとるため (長いリボン生地をとるため) 生地をずらす。
- 生地のワサに前身頃・前ヨーク・見返しの前ヨークを合わせる。
- その他、あいたところに袖パターンや後ヨーク、見返し後ヨークのパターンを入れる。
- 生地の地の目線とパターンの地の目線を平行に合わせ、パターンを固定していく。
C-3 生地に芯地・印を付ける
芯地を貼るところ (薄いブルー色の位置に芯地をアイロンで接着していく)
- 後ヨークのC,B(センターバック)、後身頃C,B(センターバック)はコンシールファスナーを付けるため。
- 袖口は縫い代。
- 後見返しヨーク、前見返しヨークは全面芯貼り
- 生地からはみ出した芯地はハサミで切り落とします。
- 生地に合印をつけていく。
C-4 生地にロックミシンをかける
ロックミシンをかけるところ
- 後ヨークC,Bライン
- 後身頃C,Bライン
- 前身頃の脇線
- 後身頃の脇線
- 前身頃の裾線
- 後身頃裾線
- 袖下線
- 袖口線
さぁ準備が整いましたよ。
ミシンで縫いましょう。
D サマーワンピースの縫製
- ミシンの縫い目を大きくする。
- 後身頃の切り替え線にギャザー用のステッチをかける。
- 前身頃の切り替えにギャザー用のステッチをかける。
- 後身頃にギャザーを寄せる。(ギャザーが均等になるようする)
- 後ヨークとギャザーの長さを同じ長さにする。
- 右側と左側、両方とも同じギャザー感にする。
- ファスナーと袖ぐり部分はギャザーを寄せない。
- 前ヨークとギャザー寄せた前身頃をあわせる。
- ギャザーが片寄らないよう均等に入れる。
- ファスナーと袖ぐり部分にはギャザーを寄せない。
コンシールファスナーの付け方ポイント
後背中心線上にコンシールファスナーの長さ(50cm)を測り、印(青ピン)をつける。
後背中心線を仮縫いする。
- ミシン目を大きくする。
- 首ぐりからコンシールファスナーの止まり位置(青ピン)まで、仮縫いする。
- 青ピンより下の部分はミシン目の大きさを元に戻し、通常通りミシン縫いする。
- 青ピン下、2~3cm間を返し縫いする。(補強の為)
- ファスナーリボン部分をアイロンする。
- ファスナーのエレメント(務歯・むし)を起こすようにアイロンをかける。。
- ファスナーリボンを後背中心の縫い代にとりつける。
- 50cm位置に青ピンを打ち印をつける。
- ファスナーのスライダーを50cm位置より下に下ろす。
- コンシールファスナー用の押さえがねに取替え、ファスナーをミシンで縫う。
- 50cm位置で返し縫いをする。
- 反対側も同じようにミシンで縫う。
- 後背中心線の仮縫いを外す。
- ファスナーの止めがねを50cm位置に置く。
- 止めがねの下を糸で縫い止めがねが動かないように固定する。
簡単ファスナー処理の仕方
① ファスナーの務歯(むし)の両サイドのリボンをカットする。
②ファスナーの務歯(むし)下、(糸でくくった下)をカットする。
③リボンを片方斜めに折り上げる。
反対側も同じようにリボンを片方斜めに折り上げる。
④リボンを縫い代より少し長くして余分なリボンはカットする。
⑤少し長くしたリボンを縫い代に折り込む。
⑥ファスナー縫い代とリボンをミシンで縫い合わせる。
簡単ファスナー処理 完成
前身頃と後身頃を縫い合わせる
- 前身頃と後身頃の肩線を縫う。
- 前身頃と後身頃の脇線を縫う。
- 袖下線を縫う。
- 袖山の縫い代にギャザー用のステッチを2本かける。
- 身頃の前クロスマークから→肩→後クロスマークまでの間の長さを測る。
- 袖山のギャザーを寄せて、「いせ」を入れる。
- 身頃のクロスマーク間の長さと袖山の長さを同寸にする。
- 「いせ」にて長さを調節する。
- アイロンで袖山を整える。
- 身頃の肩線と袖山の中心点を合わせる。
- 袖底と身頃脇線を合わせる。
- 前身頃のクロスマークと袖前側クロスマークを合わせる。
- 後身頃のクロスマークと袖後側クロスマークを合わせる。
- 等間隔にまち針で身頃と袖を合わせていく。
- ミシンで縫う。
- 見返し前ヨークと見返し後ヨークの肩線を縫い合わせる。
- 見返しヨークの首ぐりと身頃側の首ぐりを合わせる。
- 等間隔でまち針をうち、固定していく。
- 首ぐりをミシンで縫う。
- 首ぐりの余分な縫い代を切り落とす。
- 内側の見返しを2~3mm控えてアイロンをかけ整えていく。
- 首ぐりにコバステッチをかけていく。
- ファスナーリボンとヨーク見返しをまつり縫いする。
- 袖口をまつり縫いする。
- 裾上げ まつり縫いする。
- ウエストリボンを縫う。
素敵なサマーリゾートを過ごすワンピースの完成
最後までご覧頂きありがとうございました。
素敵な夏をお過ごし下さい。
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